無年金で老後を迎える親は、子供の人生を考えない親だという話を、このブログで書いてきました。ここでは実体験に基づいた話を書き、無年金で老後を迎える親の人間性について記したいと思います。育ての親だから生活保護を受けさせるのも気が引ける。自分が人生を犠牲にしてまで親の面倒を見るべきなのか。そのように悩んでいる人の参考になれば幸いです。

当時の私の家族構成です。

・私、長男、35歳
・父、65歳(自営業)
・母、66歳(数年前までパートをしていたが、今は専業主婦)

私は大学卒業後、上京し東京で暮らしていた。25歳くらいの頃には収入に余裕が出たので、学費の返済がてら親に仕送りもしていた。その後も私なりの努力の甲斐もあり、仕事は順調で貯金もそれなりに貯まった。30歳中盤、そろそろ結婚も考える時かとマンションも探していた。

そんな中、父親から電話がかかってきた。「俺も歳だし、そろそろ後のことはよろしくたのむわ」と。自分も長男である以上、いずれ親の面倒は見るつもりだったし、仕送りを続けるつもりでいたが、年金額や貯金がいくらあるのかもわからないので母親に聞いてみた。

すると母親は話をはぐらかしきちんと答えない。何か嫌な予感がした。借金でもあるのだろうか。まさか1000万単位の借金があるわけではないだろう。2〜300万程度なら私の貯金から払うことはできる。マンションを買う予定は先送りになるが・・・などと考えていた。

そしてある日、意を決して母親を問い詰めた。そしたら耳を疑うような驚愕の返事が返ってきたのだ。

「年金を途中から払っていない」

え?



頭が真っ白になった。いつから払っていないのかを役所で調べるように言うと、受給資格の最低支払い期間25年に満たず、父母共に年金がもらえないことが発覚した。

貯金は?と聞くとそれもないと言う。それどころか税金の滞納もしているらしい。話を聞くごとに血の気が引いていくのを感じた。それで母は「お父さんは別に貯めてるみたいだし、いくらかあると思うよ」という。本当にそうなのか?父親に聞こうにも怖くて聞き出せなかった。

それからしばらくして父親から自己破産するかもしれないという連絡が来た。以前、仕事仲間と共同設立した会社が倒産し、連帯保証人になっていたから借金の一部の支払いを命じられたという。その金額は300万。これから老後20年ほど生活していかなければならないのに、300万ぽっちも払えず自己破産するかしないかの話をしている。この時、父親にもろくに貯金がないことがわかった。

相当に危機的な状況だにあるとわかり、いろいろネットで調べた。年金受給額は月20万以上、貯金は2000万以上、ローン支払いの終わった持ち家あり。これが平均的な老後を迎えた人の資産状況らしい。また65歳から平均余命20年で5000万以上はかかるという。いずれ病気や介護が必要になることを考えても、確かに年金と貯金をあわせてそれくらいの備えがないと老後の生活は厳しいと理解した。

にもかかわらず、自分の親は無年金、無貯金で老後を迎えることになった。しかも賃貸マンション暮らしで持ち家もない。まさか自分の身にこんなことが降り掛かってくるとは夢にも思わなかった。これは大変なことになった・・・マンションを買うだとか結婚だとか、自分の人生のことは考えられなくなった。しばらくはどうして良いかわからず途方にくれた。これを書いている今も当時の血の気が引くような思いが蘇ります。

>>つづく